旅するように働く。佐渡で気づいたこと【後編】

2026.11.1

佐渡トラベルワークの後編です。前編では、小木診療所や佐渡の地域医療についてご紹介しました。

今回は、実際に現場で経験したこと、そして自分自身が感じたことを綴りたいと思います。

目次

小木診療所での体験

小木診療所では、診察を見学させていただき、診察の合間には、ほかの看護師さんたちと一緒にワクチン接種も行いました。

また、なかなか出血が止まらない患者さんの処置をお手伝いする機会もありました。

出血している場所は一か所ではなく、止血が難しい状況でした。

病院であれば、バイポーラという電気で血管を凝固させる器械や、血管を縫うための糸などがあります。

しかし、診療所にはそうした器械や物品がありませんでした。

圧迫による止血や、タニケットという器具を使って一時的に血流を抑えるなど、限られた物品の中で処置が進められました。

病院では、必要な器械や物品がそろっていることを当たり前に感じていました。

しかし、地域の診療所では、必ずしもそうではありません。

限られた環境の中で、今あるものを使いながら処置を進めていく。

その様子を見て、青年海外協力隊として活動していたホンジュラスでの記憶が蘇りました。

場所も時代も違いますが、限られた環境の中で何ができるかを考えることの大切さを、改めて感じました。

私は以前、手術室で働いていました。

今回、その経験が思いがけず役に立ち、処置の状況を見ながら「次に何を手伝おうか」と考えることができました。

久しぶりに感じた処置介助の緊張感。そして、少しワクワクする気持ち。

これまでの経験が、思いがけない場面でつながることがある。

経験って大切だなと、改めて感じました。

訪問介護の現場を見せていただいて

今回は、民間の介護事業所が行っている、介護保険サービスの訪問介護にも同行させていただきました。

ご利用者のご自宅で、食事やお薬のこと、生活環境など、普段の暮らしに目を向けながら関わる見守りの様子を見学しました。

私自身も、現在は介護保険外サービスとして、ご自宅でのくらしのサポートを行っています。

仕事をしながら「これでいいのかな」と迷うこともあります。

だからこそ、今回、別の地域で行われている訪問介護の様子を見せていただけたことは、とても良い機会になりました。

自分の普段の関わり方を振り返り、確認する機会にもなりました。

普段とは違う現場を見ることで、改めて気づくことがあるのだと感じました。

自分の原点を振り返る

今回の佐渡での経験を通して、改めて気づいたことがあります。

私は、誰かのために何ができるかを考えるのが好きなんだ、ということです。

困っている方がいたら、「どうしたらいいだろう」「自分に何ができるだろう」と考える。そして、一緒に考えたことが形になり、喜んでいただけたら、私も嬉しい。

これまで病院や介護施設、青年海外協力隊として活動したホンジュラスなど、さまざまな場所で経験を重ねてきました。

今は福祉タクシーや暮らしのサポートという、以前とは違う仕事をしています。

できることばかりではなく、迷ったり、不安になったりすることもあります。

それでも、目の前の方のために何ができるかを考えることは、ずっと変わっていないのだと思います。

今回の佐渡トラベルワークは、これまでの経験を振り返り、自分の原点を改めて確認する機会になりました。

旅先で働くということ

佐渡トラベルワークプロジェクトでは、普段とは違う地域で、実際の仕事を体験することができます。

観光で訪れるだけでは分からない、地域の医療や暮らしの様子。

そして、いつもとは違う環境に身を置くことで、自分自身についても気づくことがありました。

私にとっては、佐渡の地域医療を知るだけでなく、今の仕事を見つめ直す貴重な機会になりました。

旅をしながら働く。

その土地を知り、人と出会い、いつもとは違う現場を経験する。

そんな時間が、新しい発見につながるのだと思います。

このような機会をいただけたことに感謝しています。

小木診療所の皆さま、佐渡トラベルワークプロジェクトに関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました。

この取り組みが、もっと多くの方に知られ、広がっていくことを願っています。

▼ 画像をクリックすると、佐渡トラベルワークプロジェクトのページをご覧いただけます。

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